住宅ローンでは、ローンの名義変更が可能なことが多いですが、カードローンの名義変更はまずできません。
名義変更は、カードローン会社にとってリスクしかないからです。
ただし、契約者本人は変わらずに氏名だけ変更する場合の名義変更は、可能です。
また、借金の借り換えをすることでも、名義変更と同じような効果が得られます。
この記事では、名義変更が持つリスク、氏名のみの名義変更の手続き方法とともに、名義変更以外に取りうる方法も徹底解説します。
■カードローン名義変更OKなパターンとNGなパターン
住宅ローンの場合、購入した住宅地の所有者から、新たな人に所有権の名義を変更することは、制度上問題ありませんし、行われています。
債権者である銀行が対象の住宅に抵当権を設定しており、万が一返済不能に陥っても、差し押さえることによって債権回収が可能だからです。
しかし、消費者金融や都市銀行、信用金庫などの金融機関で提供されている個人向け無担保カードローンは、その名の通り担保がありません。
保証人もいませんので、利用者本人に返済をしてもらわないと、貸し倒れの可能性が高まります。
そのような状況での名義変更手続きは、カードローン会社としてやりたくないことですが、場合によっては認められるケースもあります。
1. 結婚や離婚など契約者の氏名が変わる場合の名義変更はOK
結婚や離婚などによって、契約者本人の苗字が変更になった場合、苗字は変更となりますが、契約している本人に変更はありません。
契約者の氏名が変更になる場合の名義変更は、引き続き同じ人が契約して返済も行なうため、カードローン会社としてもリスクは増えないため、認められます。
2. 契約者から他人への名義変更の場合はNGになることが多い
一方で、契約者本人が返済しきれなくなって、他の人に借金返済をしてもらうための名義変更については、ほとんど認められることはありません。
変更後の名義人が友人や他人の場合はもちろん、義母や配偶者、実の両親や子どもなど家族関係にある人でも同じです。
■契約者本人は変わらず、氏名のみが変わる場合の名義変更
契約者本人は変わらず、氏名のみが変わる場合の名義変更は認められることが分かりました。
しかし、電話一本で「名前が変わりましたのでよろしく」と言っても、カードローンの名義変更手続きはできません。
契約者本人は変わらないとはいえ、名義変更は重大な契約変更ですので、それなりの手順を踏まないといけないのです。
大手消費者金融であるアコムを例に、名義変更手続きの方法を紹介しましょう。
1. アコムで名義変更を行う場合
アコムでも、苗字が変わった場合や住所変更があった場合には、速やかに変更報告することが、利用規約で定められています。
速やかに変更報告をしないと、最悪の場合、利用停止手続きを取られる場合もあります。
●ネット、電話、店舗での名義変更手続き
アコムでの名義変更方法は、インターネット、電話、アコムの店舗でできます。
具体的な方法に若干の違いはありますが、基本的な流れは一緒です。
①名義変更手続きを申し込む電話、店舗では「名義変更手続きをしたい」と伝えます。
インターネットでは、会員ページにログインして、「各種変更のお手続き」から変更をすることができます。
②申込書類を返送する電話で申し込むと、名義変更手続きに必要な書類が郵送されてきます。
店舗の場合は、店舗に手続きで必要な書類が置いてあります。
会員ページから申し込んだ場合は、特に書類は送られてきません。
③本人確認書類を送る申込書類だけでなく、本人確認書類を提出する必要があります。
店舗の場合は持参した本人確認書類の原本を預けましょう。
電話からの申込は、郵送、FAX、自動契約機を使って本人確認書類を送りましょう。
会員ページからの申込は、アップロード機能を使っても可能です。
④ローンカードの差し替え新しい氏名が記載されたローンカードが送られますので、古いカードはハサミを入れて処分してください。
アコムの詳細に関しては、「アコムのカードローンを徹底検証」をご覧ください。
●名義変更は本人確認書類の氏名が変更になってから
可能な限り速やかに名義変更を行なうのが望ましいですが、苗字が変わっていきなりカードローンの名義変更をしようとしても、まず無理です。
名義変更には、申請をするだけではなく、運転免許証など各種本人確認書類の提出が求められます。
ただし、肝心の本人確認書類の氏名欄が変更されていなければ認められませんので、本人確認書類の氏名を変更してから、カードローンの住所変更手続きをしましょう。
■第三者への名義変更は不可能ではないがかなり難しい
自分から第三者へのカードローンの名義変更は、法律で禁止されているわけではありません。
住宅ローンなどでは、夫婦共同名義のローンを、離婚を機に夫単独の名義に変更することもよくあります。
ただしカードローンの場合、カードローン会社としては名義変更をしたくないため、認められる可能性は低いでしょう。
1. カードローンは契約者本人が審査に通過して利用しているという前提
なぜ難しいのかというと、カードローンは会員個人が審査に通過して利用している、という前提条件があるからです。
カードローン会社は、申込者の借金返済能力を審査して返済義務を課した上で、貸付をしてくれます。
また、消費者金融では総量規制の問題も立ちはだかります。
総量規制とは、契約者の年収の3分の1以上の貸付ができない規則で、総量規制に従って、実際の利用限度額も決定されています。
契約者が変われば、利用限度額も見直しをしなければなりません。
よって、契約者の名義を全く別人の第三者に変更することは、ほぼ不可能なのです。
総量規制に関して詳しくは、「カードローンの総量規制と対象外となる借入方法をチェック! 」をご覧ください。
2. 第三者への名義変更はカードローン側にとってはリスクしかない
仮に、当初の契約人から全く別の第三者に名義変更できるとしたら、カードローン会社にとってはリスク以外の何物でもありません。
利用限度額いっぱいにキャッシングした挙句、他人に名義変更する無責任な行為が横行してしまいます。
元の利用者よりも、名義変更によって債務引受(借金肩代わり)をした人の信用力が低ければ、返済不能に陥ることは目に見えており、債務整理の可能性も出てくるのです。
このように、第三者に名義変更することは、カードローン会社にとって何のメリットもありません。
3. 3つの同意が得られなければ名義変更は成立しない
前述していますが、法律では名義変更が禁止されていないものの可能性は低く、さらに、
- 債務者である元々の利用者本人
- 名義変更をする新たな名義人
- 債権者であるカードローン会社
の三者の同意を得られなければ、名義変更はできません。
特に、債務者であるカードローン会社の同意を取り付けるのは難しいでしょう。
4. どうしても名義変更を希望する場合には専門家への相談がベスト
名義変更を希望したがカードローン会社に断られてしまった、そんな場合は、弁護士などの専門家に法律相談をした方が早いかもしれません。
相談数も多く、質問に対して明確な回答をしてくれるでしょう。
●契約者本人が死亡し財産相続をする場合も、相談を
カードローンの契約者本人が死亡して相続人が財産相続をする場合、相続放棄などをしない限り、プラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も相続しなければなりません。
この場合は、カードローン会社も相続人への名義変更をしますが、死亡証明書や除籍謄本などが必要となり、どこで入手してよいか分からない人も多いでしょう。
そんなときも、専門家に問い合わせすると、分かりやすく教えてくれます。
■名義変更したいけどできない場合は他の方法を考えてみよう
専門家に相談してもやはり名義変更できない場合は、以下のような方法を使っても問題を解決できる可能性があります。
1. 名義変更人に借り換えをお願いする
借金はあるが、信用情報に傷があるなどの事情により自分で借り換えができない場合には、名義変更を予定していた人の名義で借金をしてもらうように、お願いをしてみましょう。
借り入れ金は自分名義の借金の残高分で、借り入れた新たな資金で、まずは自分名義の借金を完済します。
あとは、名義変更を予定していた人名義の借金を返済すればOKです。
実際に返済するのは、名義変更を予定していた人でも、自分でもどちらでも構いません。
●ただし、名義変更人に内緒で借り換えするのは不可能
ただし、名義変更を予定していた人に内緒で借換えをするのは不可能です。
素性がばれないようにネットで予約をしても、登録した電話番号に申込内容確認の電話が来ます。
自分の電話番号を登録しておけばここはクリアできますが、名義変更を予定していた人の本人確認書類を提出しなければなりません。
名義変更を予定していた人に黙って本人確認書類を拝借すれば、クリアできる可能性はあります。
しかし最後に、銀行融資審査役職者による勤務先への在籍確認があります。
これは、申し込み書に記載された会社に本当に勤めているかを確認するため、審査担当者が実際に確認をする審査で、原則として電話で行われます。
名義変更を予定していた人がその電話に出たとしたら、身に覚えのないカードローンの申し込みは取り消すでしょう。
よって、名義変更を予定していた人に内緒で借換えをすることはできないのです。
もちろん勤務先をでっち上げることも可能かも知れませんが、他人名義で申し込む事自体、犯罪ですので絶対にやめましょう。
2. 本人が借り換えをして利息分を減らして返済する
借金はあるが自分で借り換えができるのであれば、自分を申込者として借換えをしてもOKです。
借換えによって利息分を節約しながら返済する方法も、認められています。
参考:低金利なカードローンを利用してお得な借り換えをする方法
●総支払利息が低くなるカードローンへの借り換えでなければ意味がない
ただし、ここで注意しなければならないのが借り換え先ローンの金利です。
借換え前のローンより借り換え後のローンの方が高金利であれば、利息金額がかえって増えてしまい、借り換えた意味がありません。
また、借換え後のローンの方が低金利だったとしても、毎月の返済負担を軽くするために毎月の返済額を少なく設定していると、返済期間が長くなってしまい、結果的に利息の支払い総額が増えてしまいます。
ローンの借り換えをする場合には、金利と返し続けたら総額いくらになるのかという利息の支払い総額もチェックしましょう。
■まとめ
借金が支払えなくて名義変更しようとしてもできないのは、ある意味当然です。
しかし、氏名変更による名義変更や、契約者本人死亡による相続のための名義変更は、カードローン会社でも受け付けてくれます。
手続きが分かりにくく面倒な場合もありますが、放っておくと利用停止になる場合もあります。
分からない場合は、カードローン会社にまず相談し、それでも分からなければ弁護士などの専門家に問い合わせるといいでしょう。