普通預金や定期預金ではなかなか利子が付かない、そんな人に人気なのが資産運用です。

資産運用には駐車場やアパート経営、投資信託や株式、債券やFXなど、様々な方法があります。

その元手としてカードローンを利用する人もいますが、万が一のリスクやリターンとのバランスを考えると、おすすめできません。

この記事では、資産運用の元手としてカードローンを利用するリスクとともに、カードローンを利用してはいけない人や利用してもOKな状況、そして何よりの資産運用ともいえるカードローンの繰上返済についても解説します。

■資産運用初心者にはおすすめできないカードローンの利用

資産運用をする元手を得ようと、自分の資金以外にカードローンからお金を借入れしようとする人がいますが、あまりおすすめできません。

「カードローンのお金を元手に大儲けした」など、体験者の体験談が雑誌記事やテレビで紹介されていますが、それはあくまでも例外です。

しかも、よほど資産運用に手慣れている人以外で成功体験を語る人は、ビギナーズラックに過ぎません。

資産運用をこれから始めようとする人や始めて間もない人は、資産運用のお金をカードローンで借りることはおすすめできません。

1. カードローンは事実上資産運用目的でも借り入れ可能

とはいえ、資産運用マネーをカードローンから用立てることが、法律で禁止されているわけではありません。

ほとんどの銀行や消費者金融のカードローンでは、仕事用の目的で借金することを、利用規約で禁止しています。

しかし、それ以外の利用目的ならば特に禁止されてはいません。

炊飯器の購入、旅行者の旅行費用、奨学金、医療費に使ってもOKです。

我が家を守る火災保険や個人賠償責任保険、個人年金保険や残価設定型プランの自動車ローン支払いに使ってもいいです。

国民年金の支払いに使っても、年金事務所が文句を言うことはありません。

もちろん、資産運用目的でカードローンを利用しても構わないのです。

2. 資産運用の利回りよりも、カードローン金利の方が高額

投資資金をカードローンで賄うことは、法律や利用規約で禁止されているわけではありませんが、それでもおすすめできないのには、理由があります。

まず、資産運用の利回りよりも、カードローンの金利の方が高くつく点です。

慎重派の方はリスクが低い資産運用を行ないますが、その場合の利回りは1%程度です。

ハイリスク・ハイリターンの資産運用をする人は、株やFXを選択することが多いですが、それでも利回りは10%程度(リスク込み)に過ぎません。

一方のカードローンの金利ですが、銀行系で年5%~15%程度、消費者金融系では3%~18%程度にもなります。

しかも、カードローンは返済方式がリボ払いですので、高額な融資極度額に任せて借入をしてしまうと、返済期間が長くなって利息が膨らみ、どう考えてもカードローンの利息の方が高くついてしまうのです。

3. 投資目的のカードローン利用は自己破産できない!?

カードローンの利息が投資の利回りを上回るだけでなく、万が一のセーフティーネットも働かない点も、資産運用にカードローンをおすすめできない理由です。

●自己破産につき進む可能性がある

ハイリスクな資産運用をしても利回りは10%程度で、カードローンの金利は年15%程度としても、明らかに借金が増えていきます。

そうなると滞納するケースが多くなり、任意整理や個人再生などの債務整理の手段をとる可能性が高くなります。

こうなると、カードローン会社から契約解除されるだけでなく、信用情報機関に事故情報を登録されてしまうため、他のカードローンでの借入にも悪影響を及ぼします。

それでも返済できなければ、行き着く先は自己破産です。

●投資目的のカードローン利用は自己破産できない

自己破産とは、借金を帳消しにする究極の債務整理ですが、全ての借金が自己破産できるわけではありません。

「破産法」の第252条第1項第4号には、不許可事由(自己破産が認められない理由)についての規定があり、そこには、ギャンブルなどとともに投資目的の借入も含まれているのです。

  • 1度目である
  • 破産手続きに協力的
  • 更生の意思がみられる
  • 自己破産の金額がさほど多くない

などの理由があれば、投資目的の借入でも自己破産が認められる可能性があります。

ただし、あくまでもケースバイケースです。

4. こんな人は利用NG!カードローンで資産運用してはいけない人の特徴

どんな人でも、カードローンのお金で資産運用をするのはおすすめできませんが、中でも以下のような方は絶対に利用しないでください。

●自己資金を全く持たずに借入金のみで資産運用を始める人

十分な自己資金があれば、カードローンの借入金利分の返済は、自己資金で賄えます。

しかし、自己資金がないままにカードローンの借入金利も運用の利回りで何とかしようとしても、失敗したらカードローンの利息だけでなく運用の損失分も降りかかってきます。

●ハイリスクな資産運用を考えている初心者

FXなど、高利回りが見込めるがハイリスクな資産運用を考えている人は、失敗した際のダメージが大きくなってしまいます。

特に初心者は、絶対に避けましょう。

■絶対に借入NG!?資産運用のためにカードローンを利用してもOKなパターンは?

ここまで、資産運用のためにカードローンを利用するのは絶対にNGという論調で解説をしてきましたが、絶対に利用NGなわけではありません。

1. まずは自己資金にも余裕があることが大前提

ぞの前提として、まずは自分自身に十分な資金があることが基本です。

カードローンからの借り入れ金しかお金がない状態では、損失が出た際にカードローンの返済が滞る可能性が高くなり、非常に危険です。

返済のあてがある人、十分な自己資金を持っている人ならば、その補完手段としてカードローンを利用するのもありです。

2. 利用するなら短期の資産運用

慎重派の方は、リスクもリターンも低い資産運用や、長期の資産運用を選択するでしょう。

しかし、このような種類の資産運用は利回りが低いため、どうしてもカードローンの利息の方が上回ってしまいます。

資産運用で利用するならば、短期で高利回りが見込めるFXなどの資産運用がいいでしょう。

参考:カードローンで借りたお金をFXに利用する時の注意点

プロミスなどの消費者金融では、30日間無利息サービスを実施していますので、30日以内に返済できれば利息は一切かかりません(無利息を受ける場合はメールアドレスの登録とWeb明細利用の登録が必要)。

当然、絶対に勝てる保証はないので、これも自己資金に余裕があることが大前提です。

3. FXでの追証などへの利用

また、FX会社による「追証」にカードローンを利用するのもいいでしょう。

FXはレバレッジにより、自己資金以上の高額な取引ができる点が大きなメリットです。

例えば自己資金が100万円で、FX会社が設定するレバレッジが5倍だとすると、最高500万円の取引をすることができます。

成功すれば利益分はそのまま入ってきますが、失敗すると含み損(今決済した場合の損失)もそのまま跳ね返ってきます。

FX取引をする際には、FX口座にあらかじめ証拠金を入金しておきますが、含み損が多いと証拠金ではカバーできなくなる可能性も否定できません。

そこでFX会社がとる方法の一つが「追証」です。

追証とは、証拠金を追加で入金してもらうことで、自己資本比率を上げ、含み損をカバーできるようにすることです。

もし追証ができなければ、FX会社は「ロスカット」をします。

ロスカットとはポジションを確定することで、利用者が買った通貨をFX会社が売る、または利用者が売った通貨をFX会社が買うことで、損失を確定させる方法です。

事前通告より24時間以内にロスカットを行うFX会社もあるので、スピード融資が可能なカードローンは持ってこいです。

カードローンの契約は、写真付きの運転免許証があり、希望限度額を少なくすれば、最短30分程度で審査が完了します。

1時間程度で契約手続きも完了し、振込融資に対応してくれるカードローン業者も少なくありません。

4. その他 利回りが資金調達コストを上回る投資

その他にも、カードローンの利息よりも資産運用の利回りが上回るような取引をする場合は、カードローンを利用するのもよいでしょう。

ただし、そのような投資は滅多にありませんので、詐欺などの可能性も考えておきましょう。

■既にカードローンで借りている人は、繰上返済が最大の資産運用

すでにカードローンで借り入れをしている人は、資産運用で新たに借入をする前にカードローンの繰り上げ返済をした方がいいでしょう。

資産運用の利回りよりも、実質年率15%などのカードローンを繰上返済で減らせる金額の方がはるかに多いのですから。

1. 繰上返済とは?

カードローンの返済方法は、口座振替を採用しているところが多いです。

毎月指定の返済日(約定返済日)に最低限の定額返済(約定返済)を行なえば、特に問題はありません。

しかし、約定返済をした上で、約定返済以外に自分の好きなタイミングで、好きな金額を返済することを「繰上返済」(任意返済、随時返済とも呼ぶ)と言います。

繰上返済は、ATMや銀行振込でも行え、返済金額も比較的自由です。

約定返済による返済金は、元金と利息の支払いに充てられますが、随時返済による返済金は、元金のみに充てられます。

元金が減れば、元金から発生する利息も減りますので、結果的に返済総額が減ることにもなるのです。

2. 繰上返済を利用するだけでこんなに変わる!

では、実際に繰上返済をすると、どのように違いが出てくるのでしょうか。

ここでは、三井住友銀行で年14.5%の金利で100万円を借り、「毎月16000円の約定返済」と「14000円の随時返済をプラスした毎月3万円の返済」をした場合で比較してみましょう。

毎月16000円の返済 毎月3万円の返済
総支払い回数 118回 43回
支払い合計額 187万4654円 128万7480円
支払い利息 87万4654円 28万7480円

毎月3万円返済すると、返済期間は3年半程度で済むのに対して、毎月16000円の返済では10年近くもかかってしまいます。

返済のプレッシャーから早く逃れるには、繰上返済がおすすめです。

利息の支払額も、毎月16000円の返済では借入元金に近い利息を支払う計算となります。

毎月3万円支払えば、3分の1程度の利息支払い額で済みますので、金銭面でももちろんお得です。

このお得分を資産運用で得ようとすると、かなりのハイリスクな投資をするか、たくさんの自己資金を持たないといけません。

カードローンの元金をできるだけ負担少なく、効率的に減らす為の方法は、「カードローンの元金が減らない場合にオススメの支払方法」をご覧ください。

3. 複数のローン返済がある人は金利の高いものを優先的に返済する

複数のローンから借入している人は、高金利のローンを優先的に繰り上げ返済すると、効率が良いでしょう。

同じ金額を借りているならば、高金利の商品の方が利息は多くなります。

高金利のローンをいつまでも残しておくと、どんどん利息が増えてきますので、なかなか完済できません。

借り換えローンやおまとめローンを利用する際も、高金利のローンを対象にすれば、利息低減効果はより上がります。

4. 借りる前に返済を!

資産運用は絶対に儲かる保証がありません。

常にリスクが伴う投資なので、投資以外のリスクは極力避けましょう。

カードローンで借金をしてまで資産運用で大儲けする夢を見るのではなく、まずはローンの借金を完済した方が金銭面では得をする可能性が高いです。

■まとめ

資産運用は、慎重さが何より求められます。

まずは金融商品情報をしっかりと勉強して、1カ所に集中投資するのではなく「バランス型ファンド」などの分散投資をしましょう。

その際の資金も自己資金を活用し、FXのレバレッジはあまり利かせない、カードローンでの借り入れは極力しないなど、とにかくリスク回避に努めましょう。

そして、最終的な責任者は、自分自身であるということをしっかりと認識しましょう。