法人や自営者、個人事業主が融資を受ける方法の一つに、法人カードローンがあります。
個人向けと異なり総量規制の対象ではなく、普通の銀行融資よりも融資スピードが早いなど、利便性に非常に優れています。
一方で、金利や限度額などの条件はあまりよくありません。
この記事では、法人カードローンの使い方のコツやおすすめ法人カードローンの紹介、さらには法人クレジットカードも紹介しちゃいます。
■法人カードローンの特徴とは?
法人カードローンには、以下のような特徴があります。
1. 最短即日融資対応
1つ目は、融資スピードが早いことです。
手形の不渡りを出さないために、すぐにでも融資を受けたい経営者は多いです。
そんなとき、銀行の経営者向け融資や日本政策金融公庫(日本公庫)などの公的融資を申し込んだとしても、まずその日に融資を受けることはできません。
事業者への融資は大口融資となるため、貸す側としても、個人向けカードローンより審査を慎重に行ないます。
不動産担保の事業融資となれば、不動産の担保価値を算出するためにさらに時間がかかり、申込から融資まで1か月ほどかかることもあります。
一方、法人カードローンならば、申し込んだその日に融資を受けられる商品もあるのです。
2. 限度額までなら何度でも借り入れできる
2つ目は、法人カードローンならば、限度額の範囲内で何度でも事業資金調達が可能なことです。
銀行の事業融資や公的機関の融資制度を活用する場合、一度しか融資を受けられない場合が多く、再度融資を受けたい場合には、その都度申し込みをしなければなりません。
一方、法人カードローンは消費者金融のカードローンと仕組みは同じです。
審査の結果、利用限度額が設定されて、その限度額の範囲内であれば、何度でもATMや銀行振込で融資を受けられます。
3. 利用条件や提出書類が少なめ
3つ目は、法人カードローンの貸付条件はさほど厳しくなく、必要書類も多くないことです。
銀行融資や公的融資でお金を借りようとすると、印鑑証明書や事業計画書などの必要書類が多く、必要書類以外にも、第三者保証人や連帯保証人も必要となります。
一方の法人用カードローンならば、貸付条件も緩くて必要書類も多くありません。
法人カードローン「ビジネクスト」の場合、必要書類は以下の通りです。
- 本人確認書類(法人の場合は代表者のもの)
- 登記事項証明書(商業登記簿謄本、法人のみ)
- 決算書原則2期分(法人のみ)
- 確定申告書原則2期分(個人事業主のみ)
一般的な事業融資と比べて、非常に少ないですね。
ビジネクストの場合は、担保は不要、保証人も不要(法人の場合は、代表者が連帯保証人)です。
4. 総量規制の対象外
4つ目は、法人用カードローンは総量規制の対象外という点です。
総量規制とは、貸金業法で定められている規則で、年収の3分の1以上の貸付を禁止しています。
対象となっているのは消費者金融や信販会社などの、いわゆる「ノンバンク系」と呼ばれる貸金業者であり、銀行は対象となっていません。
そもそも、個人向けカードローンは、事業性資金目的での買い入れを禁止していますので、事業目的での利用はできません。
しかし、法人向けカードローンに関しては、それがノンバンク系貸金業者のローンであっても、総量規制の対象外です。
法人は個人と比べてお金に余裕があり、高額融資をしても多重債務に陥る可能性が低いという理由です。
5. ただし金利は高め
5つ目は、金融機関の事業融資商品と比べて金利が高いという点です。
利便性が高い分、法人カードローンは金利が高くなっており、利息を多く支払わないといけません。
法人カードローン(ビジネクスト)とその他の事業融資(三井住友銀行、日本公庫)で、金利を比較してみましょう。
| 融資商品名 | 借入年率 |
| ビジネスセレクトローン(三井住友銀行) | 2.125%~ |
| 新事業育成資金(日本公庫) | 上限3% |
| ビジネクスト | 3.10%~18% |
銀行の事業融資では、信用保証協会の保証を受けた上で融資を行なう商品もあり、その場合、一般的な事業融資よりもさらに低金利になります。
6. 限度額が低め
6つ目は、銀行融資と比べて法人カードローンは利用可能額が低めという点です。
法人カードローンは総量規制の対象ではありませんが、それでも極度額は銀行融資や日本公庫に及びません。
こちらも、法人カードローンとその他の事業融資で比較してみましょう。
| 融資商品名 | 借入限度額 |
| ビジネスセレクトローン(三井住友銀行) | 1億円 |
| 新事業育成資金(日本公庫) | 6億円 |
| ビジネクスト | 50万円~1000万円 |
法人カードローンは、大口融資向きではありません。
しかも、審査によって限度額が定められますので、1000万円を融資してもらえる保証もないのです。
■法人カードローンはこんな利用が便利!おすすめなのはこんな人!
ここでは、法人カードローンがどんな使い方、どんな人に向いていているかをまとめました。
1. 法人カードローンはこんな利用に向いている
●短期返済できる融資
法人カードローンは、返済期間があまり長くありません。
ビジネクストの場合、最長でも5年間です。
一方、日本公庫の新事業育成資金の場合、最長20年間の返済期間があります。
短期間で返済できる融資は、法人カードローンもありでしょう。
●つなぎ資金調達や運転資金融資
売掛金があと少しで入るがつなぎ資金がほしい、従業員の給料を支払うための運転資金がほしい、そんな小口融資も、法人カードローンの利用がおすすめです。
法人カードローンならば、あれこれと利用目的を詮索されませんので、融資を受けやすいです。
●手形の支払い
手形の不渡りは、会社の信用を大きく損ないます。
数日以内に手形の支払いをしないと不渡りになってしまう場合、法人カードローンの利用がおすすめです。
法人カードローンならば、最短で即日融資も可能ですので、不渡りを出す前に手形の支払いができます。
2. 法人カードローンがおすすめなのはこんな人!
●キャッシュフローに余裕のない事業者
取引業者からの売掛金がなかなか入らない、法人カードローンは、そんな中小企業経営者向けです。
ビジネクストの場合、200万円借りて年15%の金利だとすると、毎月の返済額は1回目が64657円、2回目が60219円となり、50回で完済できる計算となります。
月々の負担を抑えられますので、会社をうまく回して行けます。
●起業間もない自営者や個人事業主
一般的な法人と比べて、自営業者や個人事業主は、それでなくても銀行融資が受けにくいです。
起業間もないとなれば、さらに融資を受けられる可能性は低くなります。
ビジネクストの場合、営業年数は特に問われていませんので、企業間もない自営者や個人事業主でも申し込み可能です。
●頻繁に小口融資が必要な事業者
つなぎ資金や運転資金などで、頻繁に融資を受けたい事業者も、法人カードローンの利用がおすすめです。
一般的な銀行融資や日本公庫では、融資の旅に申込をして審査を受けなければならず、融資までの時間もかかります。
法人カードローンは、新規契約時に設定された利用限度額の範囲内であれば、専用ローンカードを使って何度でも借入が可能です。
ビジネクストの場合、セブン銀行、東京スター銀行、アイフルのATMから借入できますので、昼夜を問わず、どこでも借入が可能です。
■おすすめ法人カードローン5選
ここでは、おススメの法人カードローンをいくつか紹介します。
1. ビジネスパートナー
ビジネスパートナーでは、通常の事業者向けローンのほかに、不動産担保ローンも行なっています。
東京を始め、北は北海道から南は福岡まで、大都市を中心に店舗展開しています。
ローンカードは、セブン銀行で24時間365日利用可能ですので、深夜や休日の融資も問題ありません。
繰上返済の手数料も無料ですので、利息を減らしやすいカードローンです。
一方で、利用限度額は最高でも500万円と、大口融資にはあまり向いていません。
また、ビジネクストと比べて、用意する書類が少しだけ多いのもデメリットです。
2. ビジネクスト カードローン
ビジネクストは、三井住友信託銀行とアイフルが共同出資して誕生したビジネスローン会社です。
申込時年齢が満20歳~69歳まで、法人も個人事業主も申し込めるなど、貸付条件が緩いのがメリットです。
ローンカードを使って提携ATMから気軽に借入・返済できるほか、電話で指定口座への振込キャッシングもしてくれる利便性も利点です。
ただし、審査基準については、決算内容だけが審査基準ではないと公式サイトに明記されており、いまいち分かりにくいのがデメリットです。
また、カードローン以外にもビジネクストには融資商品があるのですが、多すぎてそれを選べばよいのかがよく分かりません。
3. オリックスVIPローンカードBUSINESS
「オリックスVIPローンカードBUSINESS」は、ノンバンク系のオリックス・クレジット株式会社が展開している事業者向けカードローンです。
オリックスVIPローンカードBUSINESSの利用者は、カウンセリングデスクを利用で来て、お金や収支バランスについての相談を受け付けてくれますので、気になる点も解消できます。
また、ビジネスホテルやゴルフ場、レンタカーを優待価格で利用できるので、支出を抑えるのにも役立ちます。
さらに、全国の金融機関、ゆうちょ銀行、近くのコンビニなど、全国17万台に及ぶATMを利用可能です。
ただし、オリックスVIPローンカードBUSINESSはネット取引をメインにしているため、ネットが苦手な方には使い勝手が悪いかもしれません。
5. 資金調達プロ
「資金調達プロ」とは、株式会社ユービジョンが運営している、日本最大級の資金調達情報サイトです。
10項目の入力で資金調達可能額を調べられたり、地域やジャンルから資金調達の専門家を検索できたりします。
ファクタリング(売掛金を担保に融資を行なう方法)についての情報やコラムなども充実しているので、事業融資の知識を深められます。
ただし、融資方法がファクタリングのみですので、売掛金がないと利用できません。
また、ファクタリングは貸し付けではないため利息がありませんが、その代わりに手数料が発生します。
その手数料が利息よりも割高感があるのもデメリットです。
■法人カードローンと法人カードの違い
法人カードローンとよく似た言葉に、「法人カード」がありますが、法人カードは「法人クレジットカード」のことです。
法人カードローンは年会費がかかりませんが、法人カードは年会費がかかります。
キャッシング機能だけではなく、VISAやマスター、JCBなどの国際クレジットカードも搭載されているので、世界中で利用できます。
1. 法人カードには法人カードローンにはないサービスもある
法人カードには、法人カードローンにはないサービスが充実しています。
法人カードのショッピング利用で、ポイントやマイルが貯まる機能は、法人カードローンにはありません。
法人カードなら空港ラウンジや福利厚生施設の利用も可能ですが、法人カードローンを持っていてもラウンジや福利厚生施設は利用できません。
2. 長期利用なら法人カード、急な出費への対応なら法人カードローン
また、法人カードローンと比べて、法人カードは利用から実際の引き落としまでの期間が長めです。
その間にキャッシュフローの立て直しもできますので、長期にわたる利用やビジネス全般での利用ならば法人カードがおすすめです。
一方、急な出費に備えたいのであれば、即日融資も可能な法人カードローンが向いており、使い分けが重要です。
3. 法人おすすめクレジットカード
ここでは、おススメの法人クレジットカードを紹介します。
●JCB法人カード
国際ブランドは当然JCB、一般、ゴールド、プラチナの3種類があります。
法人であっても決算書は原則不要で、必要書類はさほど多くありません。
追加カードに特に制限がないため、多くの社員にカードを持たせたいときに便利です。
ただし、基本的なポイント還元率が0.5%ですので、あまりお得ではありません。
また、電子マネーへのチャージや利用でもポイントが貯まりません。
●アメックスビジネスカード
国際ブランドはアメックスで、グリーン、ゴールド、プラチナの3種類があります。
カードの引落口座が法人名義の場合は法人代表者向けカード、個人名義の場合は個人事業主向けカードになりますが、スペックに特に違いはありません。
アメックスのビジネスカードには、「事前承認手続き」というサービスがあり、簡単に言うと限度額がないサービスです。
例えば、500万円入金すると500万円が限度額となり、1億円入金すれば1億円が限度額となります。
ビジネス関連のサービスも充実しており、ホテルやレンタカーなどの割引、ビジネス情報のオンライン入手などが可能です。
ただし、アメックスのビジネスカードにはキャッシング枠がないため、現金調達ができません。
また、アメックスブランドは、国によっては使えないところもあります。
●オリコ EX Gold for Biz M iD QUICPay
オリコの「EX Gold for Biz」には、S(個人事業主向け)とM(法人代表者限定)の2種類があり、付帯サービスなどで一部違いがあります。
オリコ EX Gold for Biz M iD QUICPayは、追加カードを無料で3枚まで発行できますので、小規模な会社にはぴったりです。
オリコ EX Gold for Biz M iD QUICPayは、あくまでも代表者個人に対して審査を行ないますので、代表者にクレカの利用履歴があって、延滞もなければ審査通過の可能性が高いです。
他の法人カードと比べて、コスパが非常に高いです。
ただし、オリコ EX Gold for Biz M iD QUICPayはキャッシングの利用ができません。
■まとめ
法人や個人事業主は、個人と比べて大口融資が可能ですが、その分返済も厳しくなります。
法人カードローンなどで融資を受ける際には、貸付条件をよく見て返済シミュレーションも活用して、計画的な利用を心がけましょう。
また、急ぎの融資でない、低金利の高額融資を受けたい、そんな方は銀行の事業融資や日本公庫も候補に入れて検討してみてください。