お金を借りるときは様々な契約方法でお金を借りますが、その際の名前にもカードローン、フリーローン、キャッシングなど様々な言葉があり、非常に分かりづらくなってしまっています。
どの借り入れが、金利、返済方法、借入方法などどのような特徴が有るかだけでも知っておけば、自分の状況に合った借り入れを見つけることが出来ます。
ここではカードローンとフリーローン、キャッシングなどの似た言葉との違いについて詳しくまとめていきます。
目次
カードローンとは
カードローンの基本知識

自由に借り入れる事が出来るのがカードローン
カードローンは、消費者金融会社、信販会社、クレジットカード会社、銀行などが行っている個人向けローンで、入会金、年会費無料で、担保不要、保証人不要とお金を借りる上で面倒なことがほとんどない非常に借り入れやすい融資です。
基本的に使い道(資金使途)は、何にでも使って問題ないので、日々の生活費や、飲み代、レジャー代、デート代と様々な事に使用可能ですが、個人向け資金なので、事業用資金としては使用出来ません。消費者金融の場合は、個人事業主に限り、事業用資金に使っても良いとしていますが、審査が厳しくなります(詳しくは個人事業主・自営業がカードローンに申し込む時の注意点をご覧ください)。
カードローンの大きな特徴は、「借入限度額(利用限度額)内であれば何回でも自由に借り入れる事が出来る」という点です。100万円借りた後に30万円返したら、また追加で30万円を借りる事が出来ます。通常の融資であれば、借り入れる度に審査を行う必要があるので、非常に借りやすいと言えます。しかも近所のコンビニや最寄りの銀行などで気軽に借りる事が出来ます。
ただし、借りやすさと、追加で自由に借りる事が出来ることから、借金を完済することが出来ず、新たに別のカードローンでお金を借りて、借金を返済するという自転車操業状態の方が増えています(複数のカードローン契約をして借金に苦しむ人の事を多重債務者と言います)。
返済するためには、返済計画をきちんと立て、さらにそれを実行する行動力が必要となってきます。カードローンについてさらに詳しく知りたい場合は「カードローンとは」という記事もご覧ください。
過払い金返還請求などで出費が多くなった消費者金融としての新たな収入源が銀行のカードローンを保証する事業なのです。
金利はどのカードローンも高め

気がつくと利息をたくさん支払ってしまっているかも
カードローンは、借り入れ先の金融機関によって金利は異なってきますが、どの金融機関と契約したとしても金利は高めです。車、教育、住宅のローンのように数%という事は無く、ほとんどの金融機関が13%~18%ほどの金利(実質年率)がかかります。
消費者金融は高めで、銀行は低めとはいうものの、そもそもが高いので、銀行だから安心ということはないので注意しましょう。
例えば、年率18%のカードローンと、年率3%の車のローンのそれぞれで90万円を借り入れた場合どれくらい違うのかというのをシミュレーションしたものが以下の表となります。
年率18%のカードローン | 年率3%の車ローン | |
借りた金額 | 900,000円 | 900,000円 |
月々の返済額 | 25,000円 | 25,000円 |
返済総額 | 1,303,881円 | 944,273円 |
利息 | 403,881円 (+359,608円) |
44,273円 (-359,608円) |
返済期間 | 4年5ヶ月 | 3年2ヶ月 |
車のローンであれば利息はたったの44,273円で済む一方、カードローンで同様の条件だと利息だけで403,881円も発生します。その差は359,608円と非常に高額な利息となります。ただ、これはもちろん法律を遵守した金利なので、実際にあり得る支払例です。
もちろん自動車ローンには返済出来なくなったら車が没収されてしまう、そもそも車にしか使えないローンといった条件はあるものの、あまりに利息が違いすぎます。
こうならないためにもしっかりと返済計画を立て、借りすぎには十分に注意しましょう。
またカードローンには、銀行のレイク、消費者金融のプロミス、アイフル、アコムが30日間無利息サービスを行っているので、短期的な借り入れであれば非常にお得に利用することが出来ます。
限度額は非常に幅広い

日々の少しの買い物にあてるぐらいにしましょう
カードローンは、元々が大口融資だったという話もあるほど、限度額が高めに設定されていることが多いです。自由に借りれる為、出来れば借りてほしいとう意図もあるのかもしれません。
レイクなど限度額1万円を設定することが出来ますが、最低限度額50万円から、というような銀行カードローンもあります。最低限度額50万円ということは、契約出来た人は誰でも50万円を借り入れられる状態だという事です。
また、最高限度額も非常に大きく、みずほ銀行などのように上限1,000万円という非常に高い限度額に設定出来るカードローンも存在します(限度額は審査の結果、決定します)。個人向けの無担保ローンで1,000万円貸すなんていうことはそうそう無いとは思いますが、それでもものすごい額の限度額です。
余談ですが、みずほ銀行カードローンで1,000万円を借りた場合、ほとんどの方が金利4.0%となります(金利は限度額があがるほど下がる仕組みになっています)。すると、毎月利息だけで約32,786円となります。
カードローンの審査は類似商品では厳しめだが、スピーディ

何週間も待つ必要は有りません
カードローンには、カードローンに似たフリーローン、目的ローンなどがありますが、それらに比べては厳しいと言われています。
詳しくは後述しますが、フリーローンは「一度貸せばあとは返済だけ」といった事や、目的ローンは「契約者が返済出来なかった時に銀行が担保の車や不動産を回収出来る」といった事が原因として上げられます。これらのローン商品と比べると、「限度枠内で何度でも借り入れる事が出来る」「担保不要、保証人不要」という非常に融通の利くローンであるため、その分、審査を厳しくすることでバランスを取っているのです。
ただし、審査時間に関しては、利用者により便利に使ってもらいたい事から、非常にスピーディなのもカードローンの特徴です。銀行のカードローンでも最短即日融資も可能な所がありますし、消費者金融のカードローン(キャッシング)に関してもほとんどが最短即日融資も可能となっています。
返済方法

少額ずつ払い続けてしまうと利息が膨れてしまうので注意
カードローンはすぐに返した方が良いローンで、今月借りたら来月返すぐらいの気持ちの方が借金が増えすぎなくて良いです。
ただ、昔の高金利な時代に比べ、今は高いとはいっても非常に金利は安くなってきました。5万円~10万円といった少額であれば、多少、長期的に返していくのも良いでしょう。
また、基本的にカードローンはリボルビング払いという少額ずつの返済を前提としており、長期的に返済する設定になっています(例えば、月3,000円ずつ返済など)。ただし、その通りに毎月支払っていると、利息がとんでもなく増えてしまうので、十分に注意し、出来れば毎月追加で返済しましょう。
元金がなかなか減らないという方はこちらの記事も併せてご覧ください。
これは、毎月など定期的に返済額が自動的に変更となり、残高が少なくなるほど返済額も自動的に少なくなり( 最低返済額に設定される)、勝手に長期的な借金にされる仕組みです。
フリーローンとは
フリーローンの基本的な事
フリーローンというのはカードローンと似た名前ですが、基本的に消費者金融などのノンバンクはフリーローンを扱っておらず、主に銀行が扱っている個人向けローンの事を指します。フリーローンは多目的ローン、目的別ローンと呼ばれる事もあり、様々な用途に使えるのはカードローンと同じです。
お金を一度借りた後は返すだけというのがカードローンと大きく違い、どちらかというと自動車ローンなどに似ています。ただし、自動車ローンのように抵当権(銀行側の権利の事で、借金を支払ってもらえない場合は自動車を代わりにもらう権利)が設定されていないので、カードローンと自動車ローンなどの間のような存在と言えるかもしれません。
大手、地銀、ネット銀行の比較
フリーローンは銀行の商品ということを書きましたが、銀行といっても様々有り、特にフリーローンは大手都市銀行、地方銀行、ネット銀行でかなり内容が変わってきます。
わかりやすくまとめると以下のようになります。もちろん銀行によって内容は変わるので目安ととらえてください。
大手都市銀行 | 地方銀行 | ネット銀行 | |
金利 | 5.0%~7.0% | 5.0%~15.0% | 5.0%~15.0% |
限度額 | 300万円まで | 300万円まで | 700万円など |
借入期間 | 半年以上10年以内など | 半年以上10年以内など | 1年以上8年以内など |
大手であれば金利も安くフリーローンの方が良いという銀行も多いのですが、地方銀行(地銀)やネット銀行では上限金利が15%ほどと、カードローンとあまり変わらない銀行も多いです。
フリーローンのメリットは追加借り入れが出来ない代わりに金利が安いという部分なので、金利が高い今は可の方がメリットは大きいと言えます(カードローンはいつでも返済出来るので)。
また、その銀行口座を持っている必要がある場合も多いです。
資金使途(使用目的)はカードローンと同じで自由

結婚費用とする方も多いです
フリーローンで借りたお金はほとんどどのような用途で使用しても問題ありません。ただし、カードローンと違うのは、「○○に使う」という事があらかじめ決まっている人を対象としているという点です。
カードローンは、「今の所使う予定はないけれど、もしもの時の為に契約しておこう」という方でも契約できますが(申し込む際は生活費用などという)、フリーローンは「今○○に使う予定がある」ということを明確にしておかなければ行けない場合があります(厳しいところは使う商品の見積書の提出を求めるところもあります)。
資金使途(借りたお金の使い道)としては、
- 引っ越し
- 結婚式費用(ブライダル関係費用)
- 中古車購入(自動車ローンが組めない場合など)
- 歯科治療、入院費用などの医療費
- 運転免許証取得
- 旅行費用
- インテリア購入費用
などが上げられ、これらの場合は審査の時には差し支えないでしょう。
ただし、金融機関によっては、使途自由としながらも、
- 生活費
- 借金のおまとめ
- 土地建物購入
- 慰謝料支払
- 投機資金
- 事業性資金
などを目的としたフリーローン申し込みを禁止している金融機関もあります(三菱東京UFJ銀行など)。
フリーローンは追加融資出来ない点に注意

返済するだけなので利息が大きくなりすぎることはありません
フリーローンのデメリットというよりも、カードローンのメリットというべきなのが追加融資出来るかどうかと言う点です。カードローンは限度額(利用可能枠、極度枠などという)の範囲内であれば、いつでも借り入れ、返済が可能です。
しかし、フリーローンは初回に全額振り込まれて、後は返すだけのもので、返済が進んだとしても追加で借り入れる事は出来ません。また新たに借り入れたい場合は、別途契約して(金銭消費貸借契約を結ぶ必要があります)、お金を借り入れる必要があります。
また、新たに借り入れたいときに、まだ前のフリーローンの返済が残っていて、返済中なのであれば、「まずはそちらを返済してから」というような感じで、おそらく新たにフリーローンを組むことは難しいでしょう。
追加借り入れが出来ないという点ですが、
- 毎月返済していくので必ず残高が減っていく(返済管理しやすい)
- 返済期間が長期化しにくい
- 利息が最初の想定から大きく外れることはない
などのメリットも大きいです。
フリーローンの金利は大手なら低く、地銀なら高い

カードローンを優遇している金融機関は多いです
返済するのみのフリーローンは、融通が利かない分、金利は安くなるべきローンなのですが、一部の都市銀行やネット銀行をのぞいて、カードローンとほとんど金利が変わりません。
この理由の詳細は分かりかねますが、今現在、地方銀行を含む金融機関がカードローン商品に積極的になっているからではないかと思われます。
大手は金利が5.0%~7.0%と低い代わりに、生活費やおまとめ等には利用出来ません。地方銀行は金利が5.0%~15%ほどで、事業性資金以外には使えるところが多いので、カードローンとほとんど変わらなくなっているといってもよいぐらいです。
フリーローンの審査事情

フリーローンは必要な書類も多いです
フリーローンはカードローンに比べて融通が利かない分、審査は易しめである事が多いようです(審査通過率は公開されていないので、あくまで当サイト利用者の声です)。
ただ、審査回答までの時間や融資までの時間はカードローンに比べて非常に遅く、カードローンが最短即日なのに対して最短でも半月ほどかかる場合が多いです。
すぐにお金を使って何かをしたい、手に入れたいといった場合は、フリーローンではなくカードローンが向いていると言えます。
消費者金融、銀行カードローン、銀行フリーローンの違い
フリーローンとカードローンの違いをまとめるともに、カードローンの中でも銀行と消費者金融は違う点が多いので分けてまとめてみました。
フリーローン(銀行) | カードローン(銀行) | カードローン(消費者金融) | |
即日融資 | なし | 一部有り | ほぼあり |
追加借り入れ | 不可 | 可 | 可 |
来店必要 | 必要 | 不要 | 不要 |
無人契約機 | 不可 | 一部可 | ほとんど可 |
繰り上げ返済 | 可だが有料 (一回5,400円など) |
無料で可 | 無料で可 |
総量規制※ | 対象外 | 対象外 | 対象 |
在籍確認 | 有 | 有 | WEB完結なら電話連絡なし (SMBCモビットなど) |
審査 | 普通 | 最も厳しい | 普通 |
金利 | 大手なら低め 地方、ネットは高め |
普通 | 高め |
返済のしやすさ | しづらい (口座引落がメイン) |
しやすい | しやすい |
無利息期間 | なし | なし レイクのみあり |
ほとんどあり |
総量規制というのは貸金業法で定められた決まり事の一つで、年収の3分の1を越える借り入れを原則禁止するものです(銀行は銀行法なので対象外)。詳しくはこちらをご覧ください。
気軽に借りたり、返したり出来る利便性が高いのがカードローンで、一時的に大きな買い物をするときに利用するのがフリーローンという感じです。
しかし、年々カードローンが魅力的になっており、フリーローンを組まなくても、カードローンで十分に目的を果たせる場合が多くなり、今はカードローンを利用する人が非常に多いです。
おそらく、消費者金融の名前だけでは聞こえが悪いので、グループ会社の銀行の名前をだして銀行系カードローンとすることでイメージアップを図っているものと思われます。
目的ローン(目的別ローン)

住宅ローンは目的ローンの一つです
フリーローンは別名「多目的ローン」と言われていますが、目的ローンはフリーローン(多目的ローン)のように「どのような用途で使っても良い」というようなものではなく、特定の教育、車、家などの用途など、用途別に用意されたローンです。
審査が厳しい、融資まで時間がかかる、来店が必要、担保や抵当権を設定される場合もありますが、その分、非常に低金利です。
例えば、三井住友銀行のマイカーローンであれば年4.475%、教育ローンであれば年2.975%~3.475%、リフォームローンであれば年4.975%、住宅ローンなら年2.475%などが上げられます(2016年3月時点での金利)。
三井住友銀行のカードローンであれば、もっとも信用がある方に付与される限度額10~800万円のカードローンがやっと年4.0%の金利なので(おそらく年収は2,400万円以上必要)、目的ローンがいかに低金利かおわかりいただけると思います。
クレジットカード

今やほとんどの人が持っているクレジットカード
クレジットカードに関しては、わざわざ説明する必要も無いほどすでに一般化しています。
基本的にはクレジットカード会社が発行した決済方法の一つがクレジットカードですが、消費者金融であるアコムがマスターカードのクレジットカードを発行していたり、銀行がクレジットカードを発行していたりします。
クレジットカードには商品を購入するときに利用するショッピング枠と、お金を借りるときに利用するキャッシング枠が存在します(キャッシング枠については次項をご覧ください)。これらの枠は別で設定されており、最初に希望していなければ基本的にはキャッシング枠はなく、ショッピング枠のみのクレジットカードとなります。
また支払方法は一括や分割、ボーナス一括払いなどがありますが、最も気をつけなければいけないのがリボ払いという支払方法です。これは買った商品の代金を毎月少額ずつ支払うもので、例えば10万円買ったとしても月々の支払は5千円にするといったことも可能です。分割払いより借金が長期化しやすく、金利も15%前後とカードローン並に高額なのでリボ払いは本当にピンチの時だけにするべきでしょう。
キャッシング

キャッシングとカードローンにはほとんど違いは無い
キャッシングとカードローンをよく混同してしまう人がいますし、それに関する解説をする方が非常に多いです。ただ、基本的にはキャッシングもカードローンもあまり違いはありません。キャッシングは一括返済、カードローンはリボ払いだという解説サイトもありますが、実際、そんなことはありません。
キャッシングはお金を借りる事で、少し前は消費者金融からお金を借りる事や、クレジットカードのキャッシング枠を利用してお金を借りる事を指していました。しかし、キャッシングという言葉があまり良くない印象となってしまったため、今では銀行はもちろんカードローンですし、消費者金融でさえキャッシングではなくカードローンと表現するところが多いです。
ただ、クレジットカードのキャッシング枠をカードローン枠というのはおかしいので(ローンカードを発行する訳ではないため)、クレジットカードのキャッシング枠については今もキャッシング枠と言います。
クレジットカードのキャッシング枠はどちらかというと少額で、100万円もいかないことがほとんどで、多くが50万円までという方が多いです。また、金利は18%の所も多く、返済方法もリボルビング払いが主流なので、カードローンとほとんど変わりません。
ただ、クレジットカードのキャッシング枠は、海外などで多くの現金を持ち歩くのが危険だから海外でも現地通貨を引き出せるようにという側面もあるため、海外の提携ATMでも利用出来ます。このときの提携というのは、クレジットカードにはほとんどついているVISA、マスターカードなどです(国際ブランドといいます)。カードローンではこのような国際ブランドはついておらず、加盟もしていないため、国内のコンビニATM、提携金融機関ATMなどでのみ借り入れる事が出来る金融商品です。
まとめ
カードローンに似た商品というのは非常に様々有りますが、しっかりと切り分ければよくおわかりいただけたと思います。
車、住宅購入、リフォーム、教育、ブライダルなど目的別ローンに該当するものがあれば、目的別ローンを利用し、それ以外の大きな買い物をするのであればフリーローン(多目的ローン)を利用します。
そして、「いざという時にすぐに借り入れられるようにしておきたい」というようないざという時の備えとしてはカードローンが最も良いと言えるでしょう。