カードローンで裁判になる!?大まかな流れと対処法

カードローンの返済を滞納していると、いきなり裁判になるわけではありませんが、遅かれ早かれ裁判になります。

一般的な裁判のイメージとは実情が異なるため、必要以上に不安になることはありませんが、やはり精神的なストレスはあります。

そんなときは、裁判前に弁護士や司法書士などの専門家への相談がおすすめです。

今回は、カードローン延滞の裁判までの道のり、裁判の実情と合わせて、専門家への相談でできることや多くの質問者が気になる「ブラックリスト」についても説明します。

■カードローンを滞納すると裁判になるのはホント?

消費者金融会社やクレジット会社で支払滞納をすると、裁判になるという噂がありますが、結論から申し上げると、これは本当です。

とはいえ、延滞をするといきなり裁判になるわけではありません。

以下で、カードローンの滞納から裁判までの流れを紹介します。

■裁判になるまでにどのようなことが起きる?

返済滞納をしても、いきなり裁判になるわけではありません。

訴訟を起こすと、時間や手間、費用が掛かるため、貸金業者側としてもできればその前に解決しておきたい(貸金業者の担当者談)のが本音です。

裁判までには、大きく分けて「遅延損害金」「連絡先への電話」「支払督促申立書」「裁判所からの通知」の4ステップがあります。

以下で、ステップごとに具体的に解説をしましょう。

1. 返済日翌日から発生する遅延損害金

まずは、返済日翌日から発生する「遅延損害金」です。

レンタルDVDの延滞金と似たようなものですが、レンタルDVDの延滞金は1日あたりの延滞金額が決まっているのに対して、カードローンの遅延損害金は通常利息と同様に、借入額に応じて変動します。

主な消費者金融会社や金融機関カードローンの、通常金利と遅延損害金の利率(いずれも実質年率)は、以下の通りです。

カードローン名 通常金利 遅延損害金
三菱東京UFJ銀行
「バンクイック」
1.8~14.6% 1.8~14.6%
三井住友銀行 4.0~14.5% 19.94%
アコム 3~18% 20%
プロミス 4.5~17.8% 20%
アイフル 4.5~18% 20%
オリコカードローン
「CREST」
4.5~18% 18%

「バンクイック」のみ、借入金利と遅延損害金の金利が同じ利率ですが、それ以外のカードローンは、法律で定められている上限に近い年20%程度に設定しています。

通常の利息に加えて、遅延損害金の利息も支払わなければなりません。

2. 利用者の連絡先に電話連絡がくる

返済日翌日には、遅延損害金が発生するだけでなく、利用者の連絡先に電話が来ます。

多くの場合、携帯電話を連絡先として登録していますので、まずは、携帯電話に電話連絡があります。

怖いお兄さんが電話口ですごむイメージがありますが、実際はそんなことはないので、安心してください。

女性スタッフが柔らかい口調で返済を促します。

ただし、電話に出ない、あるいは返済されない場合には、契約者の勤務先や自宅にも電話がかかってくる可能性があります。

3. 自宅に督促状が届く

電話に出ない、あるいは返済されない場合には、督促の電話と並行して、自宅へ督促状が送付されます。

携帯電話の請求書と似たような文面で、返済金額や支払期日、返済方法などが記載されています。

ヤミ金の取り立てにあるような「最終通告書」と赤字で書かれたはがきが送られることもありません。

基本的には社名が入っていない封筒を使用しますので、家族にばれる心配はありません。

特に銀行カードローンの場合、この段階で返済督促を保証会社に任せるケースもありますので、返済相手が保証会社に変更となっている可能性もあります。

業者によっては、法律で認められた範囲内で自宅を訪問して、返済請求を行なう場合もあります。

ただし、怖いお兄さんが来て居座ったり、早朝や深夜に訪問したり、借金のかたに家財道具を持って行ったり、暴力を振るったりすることはありません。

また、カードローンには連帯保証人が設定されていないので、家族が肩代わりする義務もありません。

4. 裁判所から通知がくる

ここまでは、債権者である貸金業者と債務者である利用者という、当事者同士のやり取りですが、滞納開始から3~4か月ほど期間が経つと、業者は裁判所に訴えるケースが多いです。

業者が裁判所に訴えると、裁判所から「特別送達」という郵便で書類が送られてきます。

中には、「訴状」(小額訴訟・通常裁判の申し立て)や「支払督促」が入っています。

■裁判所の2種類の通知と対処法

裁判所から届く書類の中には、「支払督促」か「訴状」のいずれかが入っています。

どちらが入っているかによって対処法も異なりますので、ここでは、書類別の対処法を紹介します。

1. 支払督促が来た場合の対処法

まず、「支払督促」が入っていた場合です。

簡単に言うと、これまでは貸金業者が行なっていた支払督促状の送付を、裁判所に行ってもらう方法です。

争う(金額が違う、一括返済でなく元利均等返済にしてほしい)場合には、督促異議申立書を提出しましょう。

異議申し立てをしないと強制執行に移行し、財産が差し押さえられてしまうかもしれません。

申立日は、書類を受け取った日から2週間以内と決まっています。

異議申し立てを行なうと、通常の裁判に移行します。

2. 少額訴訟・通常裁判の申し立てが来た場合の対処法

次に、「訴状」が入っていた場合です。

訴状の内容は、少額訴訟・通常裁判の申し立てです。

少額裁判とは、過払い金請求でもよく行われる訴訟ですが、これは元本が60万円以下の裁判のことです。

これらの対処法としては、答弁書を提出して指定の口頭弁論期日に出廷する必要があります。

自らが出廷できない場合でも、弁護士や司法書士に依頼をすれば代わりに出廷してくれます。

支払督促と同様に、答弁書を提出しないと強制執行に移行し、財産が差し押さえられてしまうかもしれません。

3. 裁判所から通知が来たら無視せず手続を行なうこと

ただし、法的根拠のある書類ですので、無視し続けていると相手方の勝訴という判決が出てしまいます。

そうなると、給料差し押さえなどの強制執行に移行する可能性があります。

裁判所から通知が来たら、無視せず手続を行ないましょう。

■裁判所に出廷するとどんなことが行なわれる?

ほとんどの人が裁判の経験がないので、裁判所に出廷するのは正直不安ですよね。

ドラマのように、傍聴席からヤジが飛んだり、裁判官に叱責されたりするのではないか、と不安に思う方もいるでしょうが、そんな心配はいりません。

ここでは、カードローン延滞の裁判の実態を紹介します。

1. 裁判所に行っていきなり怒鳴られたりすることはない

裁判所に入って、いきなり裁判官から「借金返済しないとだめじゃないか!」と叱責されることはありません。

カードローン関連の裁判のほとんどは簡易裁判所で対応しますが、簡易裁判所で扱う案件の多くが消費者金融関連です。

裁判官もいちいち目くじらを立ててはいられませんし、傍聴人からヤジが飛んでくることもありません。

そもそも、ドラマのように緊迫した雰囲気ではなく、「司法委員」という専門家が間に入ってくれますので、不安に感じることもありません。

2. 裁判を受ける人が複数名いる場合も

カードローン関連の裁判は多いため、中には、1日で複数のカードローン関連の裁判が行われる場合もあります。

順番を待って裁判を受ける状況になります。

3. カードローンの滞納で逮捕されることはある!?

カードローンの滞納を理由に、出廷したら即逮捕という可能性はありません。

裁判には「刑事裁判」と「民事裁判」の2種類があり、カードローン関連の裁判は後者に属します。

刑事事件の場合、基本的には逮捕・勾留されたのち(在宅起訴の場合は別)に裁判へと移行します。

これに対して民事裁判では、裁判前に身柄拘束は行いませんし、「和解」という解決方法もあります。

もちろん、カードローン関連の裁判が終了後に逮捕されることもありません。

4. ただし、支払い命令の判決が出たら財産差し押さえも

ただし、支払い命令の判決が出たら、財産差し押さえの可能性もあります。

とはいえ、不動産や家財道具の差し押さえなどが行われることはほとんどなく、おおくが給与差し押さえです。

しかも、全額差し押さえられると生活費がなくなるため、おおむね4分の1を上限としています。

■裁判所に行く前に弁護士に相談を!

少額訴訟でも通常裁判でも、債務者本人1人で出廷しても構いません。

しかし、裁判所に行く前には弁護士事務所に相談することをおススメします。

特に多重債務者は、ぜひ弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

無料相談で相談者も安心ですし、弁護士や司法書士が受任して通知が債権者に送られると、その瞬間から督促がストップします。

そして、一般人ではなかなか難しい債務整理手続きも、専門家が窓口となってくれるのです。

ここでは、主な債務整理手続きである「任意整理」「個人民事再生」「自己破産」について説明します。

1. 任意整理とは?

まず「任意整理」とは、債権者と債務者が話し合いをして、返済総額や返済期間、返済方法の合意を取り付ける手続きです。

同じような内容を、裁判所を介して行う「特定調停」もあります。

将来の利息カット、一括請求に応じる引き替えの減額などが実現する可能性が高いです。

自由度が高く、比較的簡単に行なえるメリットがる一方で、借金減額効果はさほど大きくなく、応じない貸金業者もいるなどのデメリットもあります。

2. 民事再生とは?

次に「個人民事再生」は、企業の民事再生法のようなものです。

裁判所に申し立てをして、各月返済額や返済期日(基本的には3年間)を決めて、裁判所に認可してもらう手続きです。

任意整理より借金減額効果が大きい(原則として5分の1に減る)、自宅や車を残すことができるなどのメリットがある一方で、住所や氏名が「官報」に掲載される、継続安定した収入がないと利用不可能などのデメリットもあります。

3. 自己破産とは?

そして「自己破産」とは、破産申立書を裁判所提出して、認められれば返済残高がゼロになるという手続きです。

返済額がゼロになり、強制執行を逃れられる一方である程度の財産を残せるメリットがありますが、官報に掲載され、保険の外交員や警備員など一部の職業に一定期間就けなくなるデメリットがあります。

■一定期間のブラックリスト入りは覚悟すること

「任意整理」「個人民事再生」「自己破産」の共通のデメリットとして、信用情報機関にブラックリスト入りしてしまうことが挙げられます。

「信用情報」とは、個人のお金の借入を記録した情報で、その情報を管理しているのが「信用情報機関」です。

長期延滞や強制解約、債務整理などを行なうと、金融事故情報として信用情報に新規登録(いわゆる『ブラックリスト』入り)されてしまいます。

信用情報はカードローンの審査の際に参考にする情報ですので、ブラックリスト入りしていると新規借り入れはほぼできません。

金融事故の種類によって、そして信用情報機関によっても登録機関が以下のように異なります。

信用情報機関 JICC CIC KSC
任意整理 5年 登録なし 5年
個人再生 5年 登録なし 10年
自己破産 5年 5年 10年

上記の期間が経過すれば、金融事故情報は信用情報から消滅して、再びカードローンの利用が可能となります。

ただし、金融事故を起こした貸金業者からはもう借りられないと思った方がいいでしょう。

■まとめ

借金滞納している人の中には、時効援用(いわゆる踏み倒し)を考えている人もいるかもしれません。

しかし、借金返済の意思を見せると時効援用は使えませんし、相手が裁判所に申し立てをすれば時効は中断しますので、現実的な方法ではありません。

それよりも、早い段階で弁護士や司法書士などの専門家に相談して、借金減額や返済方法の変更などを実現した方が、より現実的です。

相談は無料ですので、返済が厳しいと感じたら相談だけでもしてみましょう。