カード、電卓、返済計画の用紙を描いた水彩イラスト
借入れの前に、返済計画を。

カードローンは、契約で決まった利用限度額の範囲内でお金を借り、利息とともに返済する個人向けローンです。必要な額だけ借りられる一方、毎月の返済額を小さくすると、完済までの期間と利息が増えやすくなります。

借りる前に押さえたいのは、自分に適用される金利、毎月返す額、完済までの期間の3つです。この記事では、銀行と消費者金融の違いから、10万円を借りた場合の計算例、申込み・返済の流れまで順に説明します。

カードローンはどんな仕組み?

銀行、信用金庫、消費者金融、信販会社などが取り扱うローンです。ここでは、一般的な無担保の個人向けカードローンを扱います。自宅などを担保に入れずに利用でき、審査で決まった枠の中で借入れと返済を行います。

たとえば、利用限度額が50万円で借入残高が10万円なら、利用可能額は原則40万円です。借りた元金を返すと、その分だけ利用可能額が戻ります。ただし、返済したお金には利息も含まれるため、5,000円返せば必ず5,000円分の枠が戻るわけではありません。

ATMでの借入れに加え、口座への振込みで借りる方法もあります。カードを発行しない「カードレス」に対応する商品もありますが、利用できるATMや借入方法は商品によって異なります。

使い道は自由?

生活費の一時的な不足、家電の買替え、冠婚葬祭など、幅広い支出に使えます。ただし、事業資金を対象外とする商品もあるため、個人事業の仕入れなどに使う場合は「資金使途」の欄を確認してください。

車や教育など使い道が決まっている場合は、目的別ローンも比較候補です。必要額、金利、手数料、利用開始までの日数をそろえて比べると、選びやすくなります。

参考:全国銀行協会「カードローン」、三菱UFJ銀行「バンクイック」商品詳細

保証人は必要?

個人の保証人を用意せずに利用できる商品があります。銀行カードローンでは、保証会社の保証を利用する仕組みもあります。返済が滞って保証会社が立替払いをした場合は、その後の返済先が保証会社になり、借りた本人の返済義務がなくなるわけではありません。

キャッシングやクレジットカードとは何が違う?

「キャッシング」は、現金を借りるサービスを広く指す言葉です。クレジットカードに付いたキャッシング機能もその一つで、商品によって一括返済やリボ払いなどの方式があります。「キャッシングなら翌月一括、カードローンなら分割」とは限りません。

また、クレジットカードのショッピングは買物代金を後から支払う機能、キャッシングはお金を借りる機能です。同じカードでも契約条件が違うので、利用枠・金利または手数料・返済方法を分けて確認しましょう。

参考:JCB「キャッシングサービスの種類」

銀行カードローンと消費者金融の違い

大きな違いは、貸金業法の総量規制が適用されるかどうかです。

比較項目 銀行のカードローン 消費者金融・信販会社などのカードローン
貸金業法の総量規制 対象外 原則として対象
借入限度額 銀行や保証会社の審査で決まる 返済能力の審査と総量規制などに基づいて決まる
比較するときの見方 自分に適用される金利、返済条件、利用方法を確認 自分に適用される金利、返済条件、利用方法を確認

総量規制は、貸金業者から個人への貸付けについて、借入残高の合計が原則として年収の3分の1を超えないようにする仕組みです。クレジットカードのキャッシングも含まれます。たとえば年収300万円なら、対象となる借入残高は全社合計で原則100万円まで。1社ごとに100万円ではありません。法令上の除外・例外となる貸付けは別の扱いです。

銀行カードローンはこの規制の対象外ですが、返済能力の審査はあります。年収の3分の1を超える額を必ず借りられるわけでも、その範囲なら無理なく返せるわけでもありません。銀行グループの会社であっても、契約先が消費者金融などの貸金業者なら総量規制の対象です。ブランド名より「誰と契約するか」を確認してください。

出典:金融庁「貸金業法Q&A」

金利と利息はいくら?10万円を借りる例

金利は借入れに対する割合、利息はその割合に基づいて支払う金額です。年18%なら、毎月18%を払う意味ではありません。利息は借入残高と借りている日数に応じて計算されます。

30日間借りたときの利息を計算する

1年を365日として日割り計算する場合、基本の式は次のとおりです。

利息 = 借入残高 × 年利 ÷ 365日 × 利用日数

10万円を年18%で30日間借り、その間に返済も追加借入れもしない場合は、100,000円 × 0.18 ÷ 365 × 30 = 約1,479円です。30日後に全額返すなら、元金と利息の合計は約101,479円になります。手数料は含めていません。

借入残高が減れば、その後の利息も減ります。実際の金額は、日数の数え方、うるう年の扱い、端数処理、返済日など、契約上の計算方法で決まります。

参考:日本貸金業協会「金融トラブル防止のためのQ&A BOOK」28〜29ページ

広告の最低金利が自分に適用されるとは限らない

金利が「年○%〜年○%」と表示されている場合、実際の適用金利は利用限度額や審査結果、契約条件などで決まります。比較段階では、自分が希望する借入枠に対応する金利を確認し、契約前に提示された金利でもう一度返済額を計算しましょう。

法律上の上限金利は、利息制限法では元本10万円未満が年20%、10万円以上100万円未満が年18%、100万円以上が年15%です。これは上限のルールで、すべての商品がその金利になるわけではありません。

出典:三菱UFJ銀行「バンクイック」借入利率・利用限度額、日本貸金業協会「上限金利について」

毎月の返済額で、完済までの期間は変わる

カードローンには、決められた額を定期的に返す方式や、借入残高に応じて最低返済額が変わる方式があります。「月々3,000円から」といった表示を見るときは、その金額で何回払いになり、利息を含めていくら返すのかも確認しましょう。

次は、10万円を年18%で借り、追加借入れをせず、毎月一定額を返すと仮定した比較です。

毎月の返済額 完済までの回数 返済総額 うち利息
3,000円 47回 139,639円 39,639円
5,000円 24回 119,772円 19,772円
10,000円 11回 109,158円 9,158円

計算条件:比較用の試算として、毎月の利息を「返済前の元金残高 × 18% ÷ 12」で計算し、1円未満を毎回切捨て。初回は借入れの1か月後、最終回は残元金と利息のみを返済。金利変更・手数料・追加借入れなし。日割り計算の商品や残高に応じて返済額が変わる商品では、実際の回数・金額は異なります。

この条件なら、月3,000円から月5,000円にすると、返済回数は23回少なくなり、利息は19,867円減ります。ただし、生活費が足りなくなって借り直す計画では残高が減りません。毎月続けられる額を基本にし、余裕がある月の追加返済を組み合わせると管理しやすくなります。

契約する商品の条件で試すときは、提供会社のシミュレーターを使ってください。日本貸金業協会の返済シミュレーションでも、毎月の返済額や返済期間の目安を確認できます。

追加返済をした月も、引落しがあるか確認する

返済方法には、口座引落し、ATM入金、振込みなどがあります。追加返済がその月の定例返済として扱われるかは、商品と返済日により異なります。入金後は会員ページなどで「次回返済日」と「次回返済額」を確認しましょう。

全額返済では、残高だけでなく返済日までの利息も必要です。完済したい日を決め、その日の精算額を確認してから支払うと、少額の残高を残さずに済みます。

参考:三菱UFJ銀行「バンクイック」の返済方法

申込みから借入れまでにすること

一般的には、次の順番で進みます。

  1. 年齢、収入、使い道などの申込条件を確認する
  2. 必要額を決め、本人確認書類などを提出する
  3. 審査を受ける
  4. 利用限度額・金利・返済条件を確認して契約する
  5. ATMや振込みなど、選んだ方法で必要額を借りる

審査では、収入や他社の借入れ、信用情報などを確認します。申込みをしただけで借りられるとは限らず、広告にある最大限度額がそのまま自分の利用枠になるわけでもありません。

収入証明書はいつ必要?

貸金業者では、1社で50万円を超える借入れ、または他の貸金業者からの借入残高との合計が100万円を超える借入れなどで、収入を証明する書類が必要になります。カードローンのように借入枠を設定する契約では、枠の金額も判定に関わります。源泉徴収票、給与明細、確定申告書など、認められる書類を確認してください。

この基準以下でも、審査上の必要から提出を求められる場合があります。銀行の商品も独自に提出条件を設けています。

出典:日本貸金業協会「年収を証明する書類とは」

勤務先への電話は必ずある?

電話の扱いは会社や申込内容によって異なります。たとえばアイフルは、申込み時に自宅・勤務先への連絡は行わず、在籍確認が必要な場合でも本人の同意なしには実施しないと案内しています。「審査がある=必ず職場に電話が来る」とは限りません。気になる場合は、申込み前に確認方法を問い合わせましょう。

出典:アイフル「自宅や勤務先へ確認の電話はかかってきますか?」

申し込んだ日に借りられる?

審査結果が出る時刻と、実際にお金を受け取れる時刻は分けて考えましょう。審査のほかに本人確認、契約、振込手続きなどがあり、申込時間や書類の確認状況、受取方法によって変わります。

銀行にも最短当日の審査結果を案内する商品があります。急ぐ場合は「最短○分」という表示だけでなく、自分の申込方法で当日中の契約・借入れまで進められる条件を、公式案内で確認してください。

参考:三井住友銀行「カードローンのお申込方法・審査について」

利用すると信用情報には何が登録される?

信用情報は、ローンやクレジットの契約・支払状況などを記録した情報です。申込内容、契約額、残高、返済状況などが登録され、金融機関が審査するときの参考にします。延滞も審査に関わる情報の一つです。

カードローンを利用したという理由だけで、将来の住宅ローンやクレジットカードの審査結果を一律には判断できません。残高や返済状況を含む情報と、各社の審査基準によって判断されます。借入れを続ける間は、返済日だけでなく残高も把握しておきましょう。

自分の登録内容が気になる場合は、契約先が加盟する信用情報機関の開示制度で確認できます。

参考:JICC「信用情報機関について」、CIC「CICが保有する信用情報」

借りる前に確認したい5つのこと

  1. 必要額:何に、いつまでに、いくら必要か。利用枠いっぱいまで借りる必要はありません
  2. 適用金利と費用:提示された年率に加え、ATMや振込みの手数料も確認する
  3. 返済日と返済方法:給料日との間隔、使う口座、引落し前の残高を確認する
  4. 完済までの計画:毎月の返済額だけでなく、回数と返済総額まで試算する
  5. 使い道に合う別の方法:目的別ローンや支払先への分割相談なども条件を比べる

カードローンが役立つ場面は、必要な支出と返済の見通しを具体的に立てられるときです。毎月の赤字や、別の借入れの返済を埋めるために繰り返し使う状態なら、借入額を増やす前に家計と返済計画を見直しましょう。

返済日までの入金が難しいと分かったら、借入先に連絡し、支払える時期と金額を相談してください。返済全体の見通しが立たない場合は、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターや、金融庁が案内する多重債務の相談窓口も利用できます。

情報確認日:2026年10月7日。制度の説明と一般的な比較方法をまとめています。個別商品の金利・利用条件は、契約前に提示される内容で確認してください。